BATTLE of HARD ROCK 2024 大阪夏の陣
ライヴ・レポ ~ BATTLE of HARD ROCK 2024 大阪夏の陣 ~
日時:2024.8.10(Sat.)
会場:@大阪・梅田Zeela
【BATTLE of HARD ROCK 2024大阪夏の陣 Legacy of WOLF / Legend of Terra Rosa】のライヴ・レポです!
Legacy of WOLF編
cast :
- Vo: 松本 龍以
- B: 関 勝美
- Ds: 山波 孝至
- G: SATSUMA3042
Set List
OPENING S.E.- Shadow Of The Shade
- Catch Your Mind
- Anyplace メンバー紹介
- Realize
- Never Surrender
- Loving You
- Night Walker [Instrumental]
- Last Word
- Blue Flyer
- Running Forever ~ Encore ~
- Flying Higher
全11曲、1時間15分程を短く感じる圧巻のステージ!
とてつもなく暑い夏の日差しの中、24年8月10日(土)大阪の梅田にあるライヴハウス、
"梅田ZEELAは、"ジャパメタ"という一時代を築き、今現代へと繋がる音楽ジャンルの中でも
ひときわ支持率の高い分野だと言えよう!
会場に集まった世代を見渡していると50歳代を中心に上下満遍なくといった顔ぶれを見る事が出来る!
勿論先程触れた年代より若い方や、海外の方の来場もあり上記の支持率の高い分野といった言葉に
繋がっているのだと確信できる。
その集まったオーディエンスの熱の入れ具合と期待度の高さが、
会場である"梅田ZEELA"を更に灼熱の会場へと姿を徐々に変化させていくのが肌で感じることが出来た。
こういう肌で感じる”というのはやはり会場でしか味わえない醍醐味の一つであろう。
17:30の開場を待ちわびていた我々も同時刻になると場内へと足を進めていく。
談笑をしながらも今か今かと待っていると、18時ちょうどに場内が暗転し、
OPENING S.E.が場内を包み、ステージ幕が開くと同時に山波氏のあの始まりを告げる
"The Shadow Of The Shade" のドラムフィルインから始まる!
ステージ上手(かみて)に、ギターSATSUMA3042氏を、そしてステージ下手(しもて)側にベースの関氏。
イントロでSATSUMA3042氏のギターの速弾きが決まり、盛り上がっていく会場内に、
イントロが始まるタイミングで松本氏の登場で一気にボルテージを上げていくメンバーと会場!
前回(BATTLE OF BLOOD IN 大阪 @阿波座BIG JACK)のライヴでも触れたが、
松本氏の歌が始まるとまったく衰えていないどころか、より一層のハイトーンとパワフルな歌声が聴ける。
楽器の一種としてヴォーカルが成立しているのと同時に、もうWeaponと言ってもいい程の存在である!
そして、WOLFというバンドが未だ高い人気を誇り続けている要因として、日本人離れした声質と歌唱力を誇る松本氏と、
それを支える重厚感と変幻自在なラインで曲に力強さだったり、
メロディックにも弾きこなす関氏のベーシストとしての技量の高さ、
印象的なフィルインとパワフルさも兼ね備えた山波氏のドラミング、リフの良さ、
テクニカルな側面も併せ持ちながらも攻撃であったり、
官能的なメロディで聴く者の琴線に触れ、心震わすソロの構築であったりと
多種多様なアプローチにそこに惹かれているのだと思う。
その琴線に触れずという言葉通り、SATSUMA3042氏のギターから弾き出されるフレーズは粒立ちの良いサウンドと、
他の楽器に決して埋もれることなく、
いやそれ以上に煌びやかさも備わっており、かなりのテクニカルなフレーズも難なく弾きこなす、
SATSUMA3042氏の技量にただただ驚かされる場面も多々あった!
氏の存在というものが、バンドに新たな活力を与え続けているのだと感じた!
そういった個々のレベルの高さは勿論、この4人でこそ創り上げられる音楽性の高さも、
現在の "Legacy of WOLF" というバンド活動でも未だ高い人気を誇り続けているのだと思う。
上記のセトリを見て頂くとわかると思うが、初期のデモ時から1987リリースのEP『WOLF』、
『SOME ASPECTS OF THE MOMENT』までと幅広く取り入れており、
初期からのファン、メジャーデビュー後からのファンと幅広く楽しめる内容となっている。
そして松本氏によると"Realize"は、松本氏がWOLF加入後初めてできた曲だという。
初めて聞いたエピソードに、会場でしか聞けない裏話に会場も嬉しくなったと思う。
ライヴ中も周辺のあちこちから、一緒に口ずさむ声を聴くとこちらも嬉しくなる。
同じくM.C.でSATSUMA3042氏が仰っていたが、
「会場に嬉しさのあまり涙ぐむ人も居て、こちらももらい泣きしそうになる」と…
これだけこのバンドを待ち望んでいたファンのなんと多い事か!
と思わずにはいられなかった!
今回のライヴで特に”これ気持ち良すぎて、酔いしれた曲”は、
中盤にもってきていたミドル・テンポのバラード、"Loving You" 。
松本氏の声が会場に響き渡り、うねるような関氏のベースラインとそれを支えグイグイと引っ張っていく
山波氏のドラム、美しく奏でられるSATSUMA3042氏のギター!
途中目を瞑り音だけに集中して聴くと至極のサウンドが身体中を駆け巡ってくる。
インストナンバー "Night Walker" では、この音3人だけ!?と思わせるほどの凄まじいまでのバトルを展開。
WOLFというバンドを全国区へと引き上げ、1986年リリースのオムニバス盤『METAL WARNING』収録の
"LAST WORD"の後半へとライヴは進んでいき、会場とのコール&レスポンス、"LAST WORD"の言葉が会場中を包み込み、
ボルテージは最高潮に!
そして怒涛の後半へと流れる曲は、"Blue Flyer"、"Running Forever"という名曲群だ!
ここから更にスピード感とメロディアスな楽曲が綴られていくように、メンバーとオーディエンスとの一体感も高まっていき、
"Blue Flyer"サビでの合唱、ラストナンバーの掛け声がコールされると、
ドラム合図とともにツーバスで疾走感で満たされた"Running Forever"が演奏される!
勿論この曲でも"Running Forever"という決めセリフを大合唱、
中盤には勿論メロディアスでファストなフレーズが正確無比なSATSUMA3042氏のギターから紡ぎ出されてくる!
曲が終わりメンバーがステージ袖に引き上げると同時にオーディエンスからは
”まだまだWOLFを聴きたい”気持ちからアンコールがあちこちから沸き上がり、再登場したメンバーを熱く迎え入れた。
アンコールでもWOLFを代表するファストなナンバーである、"Flying Higher"の演奏が会場をのみこんでいく。
ここのサビでも"Flying Higher"の大合唱と拳を高く高く突き上げるサマが見て取れた。
レポ冒頭でも書いたように、全11曲、1時間15分程を短く感じる圧巻のステージでWOLFの2024年大阪夏の陣は幕を閉じた。
<<番外編>>
すべての終演後にライヴハウスの喫煙コーナーにて
WOLFの関氏、山波氏、AZ141氏(Actin'FunnyのVo)とお話しする機会に恵まれ、
改めて名刺をお渡しし、お話しをする機会を得たのだがいやぁ緊張しました(#^.^#)
関氏のお言葉で、
「大阪から始まったムーヴメントは一過性のものではなかった。
やはり一つのジャンルとして成立していたし、文化を創り上げた」
という言葉が非常に印象に残っている。
それを今に伝えていくこと、そして継承していくことが凄く大事なことだとも!
その言葉を胸に、このサイト(Japan Metal Indies)ではジャパメタを愛する多くの方に
これからの世代の方やいままでも愛してきた方、そしてこれからもジャパメタを愛し続ける
全て方に”このジャパメタ文化の継承”を発信し続けていこうと改めて力強く思ったそんな夜となった!
(Wrote it on 2024.08.17)
両手を上げて観戦したいたところに運よくSATSUMA3042氏の放ったピックが左肘に(^^♪ すかさずGet!Yeah♬
ライヴ終了後カウンター傍にLPを持ってらっしゃる方を発見し声掛けしたところ、快く写真まで取らせて頂けましたので(^^♪。
1987年リリースの EP『WOLF』のジャケットにメンバー全員のサイン入り!」という超貴重品です!!
この場をお借りして御礼申し上げます!
Legend of Terra Rosa 編
cast :
- Kb: 岡垣 "JILL" 正志
- Stratocaster:三宅 庸介
- B: 宇都宮 "Leo" 清志
- Ds: 堀江 睦男
- Vo: 荒木 真為
Set List
OPENING S.E.- A Hell Ray
- ONE OF SECTIONS "LAP"
- Petrouchka
- MY POOR SOUL
- Kb Solo ~ もの言わぬ顔
- FATIMA [Instrumental]
- AS LONG AS OUR LIVES
- THE ENDLESS BASIS
- BATTLE FEVER ~ Encore ~
- FRIDAY'S FREE FAIR
- VISION OF THE LAKE BOTTOM
1988年御堂会館で行われた "BATTLE of HARD ROCK" が現代に蘇える!
1988年、ギタリスト三宅庸介氏在籍時、大阪・御堂会館で行われた "BATTLE of HARD ROCK"。
筆者はこのステージを見る事が出来なかったのだが、今回その再現いや単なる再現ではなく、
今現在におけるこのメンバーでしか成しえない演奏を届けようとする
メンバーの想いが伝わってくるステージだったのではないかと強く思う。
それはやはり”ジャパメタ”の聖地である大阪というこの土地で長年にわたり活動をされ、
火を灯し続けてこられた岡垣 "JILL" 正志氏をはじめメンバーの雄姿を一目見ようと
多くのファンが訪れて、大阪・梅田Zeelaは満員御礼の状態であった!
WOLFのステージが終わり、しばしのセッティングなどを終えたメンバーがステージに登場し、
OPENING S.E.が始まったのが、19:40頃だったかと思う。
1stステージを終えた後も興奮冷めやらぬ会場を、三宅氏の弾き出す印象的なメロディで始まる "A Hell Ray"。
氏のライヴ体験をするのは実は初であり、期待を膨らませてステージを今か今かと待っていたのだが、
弾き始めた瞬間愛機の黒のストラトキャスターから紡ぎ出されるトーンは、
私の身体中を駆け巡り脳天を突き破る程極上で、
このトーンが皆を唸らせるのかと非常にびっくりした事を今この瞬間も思い出すことだ出来る!
華奢な身体からは想像もできない程力強く歌い上げ、
伸びやかなハイトーンを駆使し激しくファストな曲ではオーディエンスを煽りノラせ、
ミドルテンポのバラードでは優しく語りかけるように歌うスタイル等、
曲によって変幻自在な声色を披露されるなど凄く印象的だった荒木 真為嬢。
キーボードのセットを揺らす岡垣 "JILL" 正志氏の弾くメロディアスな旋律であったり、
神々しいメロディであったりと都度趣を変えて楽しませてもらえた!
バンドのリーダーとして、プロデューサーとして多岐にわたる顔を見せながら、
やはりテラ・ローザの顏でもありバンドの要ともいえるサウンドを創り出されている事に凄いとしか言えないのだ。
数多の伝説のHR/HMバンドを渡り歩き活躍されている名ジャパニーズ・プログレ/メタル・ドラマーである
堀江睦男氏のそのドラミングはやはり数多の活動で培われた「経験値」。
ドラマー、いやミュージシャンの誰もが憧れるであろう「経験値」という目に見えはしないが
培われたテクニック・パワー・バンド全体を見据えてバンドの屋台骨を支えて引っ張っているのだとステージを見て感じた。
今回ベースで参加された宇都宮 "Leo" 清志氏。
なんと、Terra Rosaの一員として参加するのは初という事もあり、非常に楽しみにしていたことの一つでもある。
Leo氏も堀江氏同様、若かりし頃からOIL (1981-1983)、JESUS (1983-1985)、BELLADONNA (1985-1992)、
CLOUD FOREST、etc...等々いろいろなバンドを精力的にこなしながらも、
そこは一貫して”ROCK”畑一筋という信念を貫いている事から分かるように、
サウンドもドライヴした太さと、繊細なクリーンなサウンドが身上である!
バンドの中でも埋もれない・揺るぎなく一本芯の通ったサウンドで存在感を発揮していた。
音楽というものを、≪木≫ に例えるならば、ドラムが叩き出すリズムの根幹が太い幹であり、
LEO氏の弾き出す、ドライヴィングでうねる様に絡みつくベースラインが幹を覆う樹皮の様に
ベースとなるリズムをまるで養分を運ぶという役割を担っているかのようにバンド内に送り届けているようだ。
キーボードのJill氏の煌びやかな旋律は、緑を多く含む葉の様に、季節によって葉の色にも変化が加わるように、
曲の持つ雰囲気によりその葉の色を変化さすかのように、いろいろな音色にメロディと彩りを添える。
そこに三宅氏の艶めかしいギターの旋律が蔦の様に幹に絡み、
その蔦はまるで天へと届けとばかりにうねり、
成長しながら高みへとバンドの音を昇華させているようであった。
CDでもない、その場にいたからこそ体験出来うる凄く貴重な音と、
それを創り出すレジェンド達の凄まじいまでのステージ上での駆け引きを垣間見ることが出来た!
それは、今のメンバーで今の感じたままを”音”の中にそれぞれのミュージシャンの魂を注入しているのではないかと
思えるほどであった。
大阪はまさにジャパメタ発祥の地であり、長きに渡り当時の若かりし頃からミュージシャンたちがお互いに切磋琢磨し、
成長させてきた紛れもない歴史と、一つの文化として成り立たせ来たという自負があるのではないか!
今まさにその音楽文化を守り、いやそれ以上に成長させ続けているという大阪の凄さを目の当たりにしてきた。
心が震えたし、”ジャパメタ”というジャンルを超えた音楽文化を継承し、
見守り続けていくのは勿論ミュージシャンをはじめファンであるのだと思う。
その一助をこのサイトを通じてお伝えできるのは誇らしい事でもあり、一つの使命でもあると思い、
こうしてサイトを運営できる喜びにこの文を書きながら感じている次第だ。
そして、上記の演奏曲を見てお分かりの様に、1987年にリリースされた『THE ENDLESS BASIS / ジ・エンドレス・ベイシス』
からの曲が多く取り入れられたセトリになっており、
まさにTerra Rosaを代表する名曲群が目白押しとなっていたことに大いに喜びを感じたものだ!
後半に行くに従いファストなナンバーが続くのだが、
まだまだいけるぞというオーディエンス側の熱い想いに応えるように
演者側の演奏にも熱が入る様は観ていて凄く感じたし、
一体感というものも肌で感じた凄まじいまでの熱い熱いライヴだった!
アンコールがかかり、"FRIDAY'S FREE FAIR"のイントロを三宅氏がクランチサウンドで弾き始めると
会場も一体となって手拍子が起こり会場中が興奮の坩堝に!
そして、その勢いのまま "VISION OF THE LAKE BOTTOM" へと流れ込む。
この曲がラストだから燃え尽きよう・楽しもうとする会場中を包み込む姿が凄く印象的であった。
上記でも書いたが、その時でしか体験できないことや聴けないサウンドそこには必ず存在する!
それを体験できるのがライヴ会場でしか味わえない醍醐味であり、楽しみの一つでもあるのだから
次にまたこの2バンドのライヴがあるなら絶対に必ず行こうと思いを強くした、
そんな素晴らしい体験の出来たライヴだった!!
(Wrote it on 2024.08.17)